花野子の珈琲ができるまで

花野子の珈琲ができるまで

花野子が出来るまでの物語 その2

妻は会社、夫は家、という生活が始まった。
 かの子「じゃ 会社に行ってくるね」
 清一「いってらっしゃ~い」と妻をみおくり、夕飯を作る。

こんな生活の日々がすぎ、ある日清一は一冊の本を買ってきた。 ‘自家焙煎経営’。
ただ部屋になにげなくおいてあった。
かの子もなんとなく開いてはみたものの、現実身はなかった。  
「自家焙煎かっこいいね。でも出来るわけないよね」と否定的だった。

清一は何か始めなくてはと、調理学校の喫茶3ケ月コースに通いはじめた。
どうやら喫茶店を始めるらしい・・・。

コース終了後 知り合いの不動産屋さんに2人で行った。
「喫茶店をやりたいのですが、良い物件は無いですか?」
「えツ~!齋藤さん、今どき喫茶店なんか生活出来ませんよ。趣味で家で珈琲をたてお友達に飲ませたほうがいいよ、喜ばれるし・・」
「喫茶店は財産がいっぱいあって、趣味でやるならいいけど、それで生活してゆくということならば諦めたほうがいいよ」

まだ46歳、息子も学校がある、財産もない私たち夫婦は社長の言葉に納得し、また振り出しに戻った。
先の決まらぬ日々、不安と焦りが大きくなって行き、二人の会話は減っていった。

つづく・・・